
「もっともっと感動できるデザインを......」何度も作り直していく中でチームの質が高まった『まどドラ』UIデザインチームの軌跡
2025年3月にリリースされた『魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra(以下、まどドラ)』(配信:アニプレックス)は、配信開始から約半年が経ちました。日々アップデートを重ね、多くのファンに楽しんでもらえるコンテンツへと進化し続けています。
『まどドラ』の世界観をファンに届けるため、UIデザイナーたちはどのような工夫をしているのでしょうか? 今回は3人のUIデザイナーにリリース前の様子と、リリースから約半年が経った現在について話を聞きます。

ソーシャルゲームの開発会社を経て、2018年ポケラボ(現:WFS)へ入社。『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』や『アサルトリリィ Last Bullet』に携わり、『まどドラ』ではUIデザインチームのマネージャーを担当している。

音楽アーティストのマネージャーやWebデザイナーを経て、2014年にポケラボ(現:WFS)へ入社。UIデザインのコンセプト策定、UIデザイン、UIアニメーションの制作全般に携わり、UIのディレクションやスケジュール管理を担当している。

デザイン制作会社から2020年にポケラボ(現:WFS)に入社。リリース前の2024年春頃から『まどドラ』に携わり、同年10月より主要メンバーとして参画。『まどドラ』のUIデザイナーとして幅広く業務に従事している。
リリース後もまだまだ全速力で走り続けている
── 『まどドラ』のリリースから約半年が経ちました。素直な心境からお聞かせいただけますか?
菅嶋まずは「無事にリリースできてよかった」という気持ちですね。我々が所属している第4スタジオ部としては初となる3Dゲームの開発で、ノウハウが少ない中で開発を続けてきたプロダクトなので、何度も試行錯誤を繰り返しながら、プロダクトとともに成長できたと感じています。
吉田親心もありますよね。リリース後は今までに体感したことがないほどの反響をいただいて、純粋にうれしい気持ちが強いです。
── 具体的にどんな反響がありましたか?
吉田僕自身、結構「エゴサ」が好きでして……(笑)。SNS上でも桁違いにたくさんのお客さまが遊んでくれているのを見ることができたんです。また『まどドラ』の公式Discordでも絶え間なく反応があり、今でも継続的にファンの方が増えていることからも反響の大きさを実感しています。

中村リリースから約半年が経ちましたが、今もなおアップデートや改修を継続的に行っているので、まだまだ一生懸命走り続けている状況です。チームの雰囲気がすごく良いので「楽しんでいただけるコンテンツをより早く、なるべく多く出したい」という目標に向かって前向きに走っている感覚があります。
── 今もなお走り続けているんですね! チーム構成はどのようになっているのでしょうか?
菅嶋『まどドラ』のUIデザインチームは、約20名ほどのメンバーで構成されています。男女比も半々で、個性豊かなキャリアを持ったメンバーが集結しています。
吉田近年UIデザイナーに求められるスキルが格段に広がっているので、個性豊かなデザイナーばかりですよ。一言にUIデザイナーと言っても、分野ごとに異なるスキルセットを持って活躍している印象があります。
スクラップアンドビルドを繰り返し『まどドラ』のリリースへ
── 開発期間中のお話も伺えればと思うのですが、振り返ってみて印象に残っていることを教えてください。
菅嶋一度作ったものを自分たちでプレイしてみると「思っているのと違う……」と感じることがあって、本当に何度も何度も作り直しが発生しました。ただネガティブな作り直しではなく、「もっと良くしたい」という気持ちがあってこそ。この時は、開発チームの全員が立場・年齢関係なく意見を出し合い、協力しながら改善を進めました。

中村私はリリースの半年前からチームにジョインしたのですが、一見すると「もう出来ているのでは?」と思うクオリティだったんです。ただそこからの追い上げがすごくて……。何度も作っては壊してを繰り返していく中で、チーム全体のクオリティも上がっていったように思います。私自身もすごく勉強になった時間でした。
吉田とは言っても、リリースの期日は決まっているわけですよ。その中で取捨選択をしなければいけない。ディレクションする側としては、120%の力を「いいものを作ること」だけに振り切れなかったのは辛い部分もありました。ただし無事リリースが出来たことで「答え合わせ」ができた感覚もあるんです。
── 答え合わせですか?
吉田はい。当たり前ですが、開発中は遊んでくれるお客さまがいないため「これはどうだ?」「そっちはどうだ?」と想像しながら制作していました。開発期間に何度も作り直しをしてきたからこそ、遊んでくれている人の声は励みにもなりますし、さらに良いものを提供していく原動力にもなると実感しました。
独特な世界観と操作感とのバランスをどうデザインするか?
── 『まどドラ』の中でみなさんがこだわった部分を教えてください。
中村2025年7月末、メインクエストに「魔法少女まどか☆マギカ scene0前編」を追加したのですが、そのマップのデザインを担当しました。これは『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』でもこだわって制作されていた部分なので、ファンの方もかなり期待されている部分なのではないか……?と。

中村scene0前編のマップのデザインは「フィルム」をコンセプトにしており、ファンの方の期待に応えつつ『まどドラ』らしいテイストに落とし込めるようデザインしました。階層がいくつかあるのですが、次の階層へとつながる演出にはこだわっています。ぜひメインクエストを攻略して、遊んでいただけたらうれしいです。
菅嶋『まどドラ』は劇団イヌカレー(泥犬)先生のオリジナル設定が多く含まれているので、その世界観をどう表現するかはUIデザインチームとしてもこだわっています。正直に言うと、世界観にこだわりすぎるあまり、演出が冗長になり、ゲームの操作性やテンポが悪くなってしまった部分もありました。そこはリリース後すぐにアップデートで修正させていただきましたが、今後もプレイフィールのバランスには気を付けていきたいと思います。
── なるほど。デザイナーそしてディレクションにも関わっている吉田さんのこだわりも教えてください。
吉田ゲームのわかりやすさと使いやすさだけでなく、気持ちが昂るような演出には常にこだわっています。


吉田僕が最初に関わったのはバトル部分なのですが、特に魔法少女が必殺技を繰り出す瞬間や魔法少女たちの敵である魔女をブレイクさせた際の演出には強いこだわりを持って取り組みました。必殺技の演出ではこれから大技を放つ魔法少女がしっかりと際立ち、バトルの流れに変化が生まれるよう演出を意識して考えました。
また、ブレイク時の演出はバトルの肝でもあり、戦況を一転させられる一撃だからこそ、爽快感や気持ち良さを最大限感じてもらえるよう、エフェクト・画面効果・サウンドの細部まで丁寧に作り込みました。とはいえ、自分ひとりだけで何かできるものではないので、日頃からチーム内で意見や提案を交わしながら、チーム全体でより良いものを作っていくように働きかけています。
── これからの目標やみなさんがチャレンジしていきたいことはありますか?
吉田よりチームがいい方向へ成長できるよう盛り上げていきたいですね。一番苦労しているのは制作しているメンバーだと思うので、より働きやすい環境をデザインしていきたいです。
中村UIデザイナーの業務幅がとても広いので、オールマイティなUIデザイナーになれるようチャレンジしていきたいです。一度に手を広げていくのではなく、まずはひとつひとつできることを増やしていき、経験を重ねていった結果いろんな提案ができるUIデザイナーを目指したいです。

菅嶋マネージャーとしての目標になりますが、今後は他のスタジオのUIデザイナーとの連携を強化して、ライトフライヤースタジオ全体でクオリティを高められるようにしていきたいですね。現状はスタジオごとに業務を行っているのですが、より多くの人にライトフライヤースタジオのコンテンツを楽しんでもらうためにも、組織としてのさらなるレベルアップは必須だと考えています。
ライトフライヤースタジオならやりたいことを実現できる
── 最後になりますが、「こんな人ならライトフライヤースタジオで活躍できそう」という人の特徴を教えてください。
吉田自分で考えたもの、思い描いたデザインを限られた時間とリソースの中でどこまで実現できるか? そのイメージを持っている方なら活躍できると思います。ゲーム開発をする上で、スケジュールや予算などの制約がどうしても発生してしまいます。それを不自由と考えるのではなく、課題と捉えてどう改善していくか? そんな切り替えができる人は活躍できるでしょう。
菅嶋ゲーム開発はチームで取り組むものですからね。そのイメージを持つことは大切だと思います。僕としては2つあって、ひとつは一緒に働くメンバーにリスペクトを持てる人。あとは何度も何度も作ったり、考えたり、悩んだりする仕事なので精神的にも体力的にもめげずに立ち上がれる人だと思います。
── お二人とも「前向き」に取り組んでいける姿勢がポイントかもしれませんね。中村さんはいかがでしょうか?
中村一緒に働いている人たちが前向きでフラットな人たちが多いので、それが影響しているのかもしれませんね。ライトフライヤースタジオでは、「やりたい」と思ったことを気軽に発信できるし、臆せずに提案することができます。自分の領域外のことでも「こういうものが作りたい」と思ったらどんどん提案できる雰囲気があるので、自分のアイデアを形にしたい人も活躍できると思いますよ。

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