アートに技術で貢献する「テクニカルアーティスト」。ゲームづくりへのホスピタリティ溢れる姿勢に迫る

ライトフライヤースタジオのゲーム制作には、グラフィックを制作するArt部の一員として、デザインとエンジニアリングの両方の技術を理解するテクニカルアーティスト(以下、TA)の存在が欠かせません。

理想のグラフィックを実装するための提案から、業務効率化のための環境開発などオールラウンドなスキルが求められるTAですが、ライトフライヤースタジオでは何よりホスピタリティ精神を重視しています。

今回はTAとして活躍する2名のメンバーにインタビュー。そもそもTAとはなにか、ライトフライヤースタジオならではの特徴はあるのか聞きました。他職種と密接に関わりながら、より良いゲーム制作に取り組む姿をぜひご覧ください。

岩本 高志
Wright Flyer Studios本部 / Art部 / Technical Art チーム マネージャー

コンソールゲーム会社にて、サッカーゲーム制作にTAとして12年間従事。2015年にライトフライヤースタジオにジョインし『アナザーエデン 時空を超える猫』『ヘブンバーンズレッド』をはじめとするプロジェクトに横断的に関与。現在はTAチームのマネージャーとしてチームマネジメントの他、メインTAとして新規タイトルへの参画、グループ会社の技術サポートまで幅広く活躍。

小原 延之
Wright Flyer Studios本部 / Art部 / Technical Art チーム

ゲーム制作会社にて3Dアーティストを務めた後、遊戯機メーカーでTAとして活躍。2015年にライトフライヤースタジオへジョイン。『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚(まおりゅう)(配信:株式会社バンダイナムコエンターテインメント)』に開発初期から携わる。DCCツールやゲームエンジンのツール開発や技術サポート、パイプラインの整備、技術選定・検証などArtの技術的な領域を全面的に担う。

Artチームと協力し、ハイクオリティのビジュアルを実現させる

── ライトフライヤースタジオへ入社した経緯を教えてください。

岩本 高志(以下、岩本)もともとTAとして12年間、コンソールゲーム会社でサッカーゲームの制作に従事していましたが、長期間同じシリーズに関わっていたので、新しい環境に踏み込みたい気持ちも徐々に強まっていたんですね。

当時はとくに、クオリティが上がりつつあったスマホゲームに興味を持っていたので、ライトフライヤースタジオに所属していた元同僚に話を聞き2015年にジョインしました。

ライトフライヤースタジオでは『アナザーエデン 時空を超える猫』『ヘブンバーンズレッド』などを担当しています。

小原 延之(以下、小原)私はもともと、ゲーム会社で3Dアーティストをしていました。しかしプロジェクトがクローズした流れで、会社が遊戯機をメインで扱う開発会社へと変化。その会社が大手遊戯機メーカーに吸収されたのちに、TAへと転向しTAチームのリーダーを務めました。

やりがいを持って働いていましたが、興味のあったスマホゲームの開発に携わりたいと考え、2015年にライトフライヤースタジオに入社しました。

── TAとはどのような仕事なのでしょうか?

岩本一般的にTAは、グラフィックに関わる職種の開発環境の整備・改善を担う存在で、そのために必要な技術・知見は多種多様です。また、業務上エンジニア、デザイナー、プランナーなど様々な職種の間に入ってコミュニケーションを仲介するハブの役割も担っています。

── お2人の具体的な業務内容を教えてください。

岩本TAチームのマネージャーでもあるので、チーム管理をしながら新規タイトルのメインTA、プロジェクトが横断で使用する共通機能の構築とメンテナンスをしています。

さらにライトフライヤースタジオ内の「技術ロードマップ」策定メンバーとして、社内で取り入れる技術の検討をしています。グループ会社における横断システムの技術サポートも担当範囲です。

小原私の業務は、DCCツールやゲームエンジンのツール開発・技術サポート、パイプラインの整備、シェーダー開発、グラフィックスに関わる技術の選定・検証です。

さらにはPC全般のサポートから、Art部のメンバーやエンジニアが使うバージョン管理システムのサポート、グループ会社のサポートもおこなっています。

幅広い技術×ホスピタリティ集団。ライトフライヤースタジオのTAという存在

── ライトフライヤースタジオならではのTAの特徴はありますか?

岩本TAをプロジェクトごとに配置する会社もありますが、ライトフライヤースタジオではTAチームがあり、メンバーは各プロジェクトに横断的に関わっています。それにともなって業務内容も各プロジェクトごとのものと、プロジェクト横断的なものの2種類に分かれます。

各プロジェクトごとの業務は、データインフラの整備を含む環境構築、量産体制の確立・運営サポートなどで、ゲームエンジン上でのLookDevに関わる作業など幅広いです。

一方、プロジェクト横断的な業務は、開発機材・ツールの選定やデータインフラの技術サポートはもちろん、制作環境一式を構築するためのDCCツールなどのカスタマイズが該当します。ライトフライヤースタジオは様々なゲームエンジンを扱っていますが、それらのカスタマイズや技術サポート、さらには処理負荷のプロファイリングも担当範囲です。

小原会社によっては、例えばシェーダー開発に特化して担当する人もいると思いますが、ライトフライヤースタジオのTAチームは特定の技術に特化した業務体制を取っていません。全員が、様々なタイトルの開発に序盤から終盤まで対応できる知識・技術を持てるよう目指しています。

その背景には、人間性とホスピタリティを大事にしていることがあると思っています。

結局「ものづくり」は人です。ゲームをつくっている人たちが心の底から楽しんでいなければ、みなさんが楽しめるゲームはつくれません。私たちは、ものづくりを担う“人”にとって快適な状況をつくりたいという想いで、どのような状況にも対応できるよう全員があらゆるジャンルを網羅的にカバーしたいと考えています。

どうすればメンバーが楽しく働ける環境をつくれるのか、常に考えて仕事をしています。

メンバーの育休もカバーする、TAチームの組織力

── TAチームはどのような雰囲気ですか?

小原若手からシニア層まで在籍していますが、互いにリスペクトを持ってコミュニケーションが取れる、良い雰囲気だと思います。

とくにチームワークの良さを感じたのは、私が育休を取得したときです。岩本さんをはじめとするチームメンバーが積極的にフォローし、私の業務を助けてくれました。

岩本たしかあのころは『ヘブバン』のリリース前後で、小原さんの育休、メンバーの肩の怪我やご家族の体調不良など色々あった中で、全員でカバーし合いながら乗り越えたんですよね。

私も、チームワークの良さは感じます。前職ではひとりでTAを担っていたので、仕事に穴を空けられず、かなりワーカーホリックな状況だったんです。

しかし、ライトフライヤースタジオのTAチームは全員の守備範囲が広いので、育休や体調不良で休むメンバーがいても、他のメンバーでカバーできます。ライトフライヤースタジオに来てからチームの強さ、ありがたさを実感する機会は非常に多いですね。

仲間からの「TAがいて良かった」がやりがいに

── ライトフライヤースタジオにおける、TAのやりがいを教えてください。

岩本やはり、多くの方にゲームを楽しんでもらえるとやりがいを感じますね。

小原同感です。加えて私はArt部のメンバーをはじめ、一緒に仕事をしたメンバーから感謝の言葉をもらったとき「TAをやっていて良かった」と思います。

ライトフライヤースタジオでは様々な組織に横断的に関われ、各プロジェクトにも幅広く貢献できます。そのぶん関わる人が増え、コミュニケーションの機会も増えました。直接的に感謝の声をもらえるともちろん嬉しいですし、多くの人の顔が浮かぶぶん、新しいゲームが世に出たときの喜びも大きくなりましたね。

岩本私も仲間から「TAがいて良かった」と言われると、非常にやりがいを感じます。ただ、そう思ってもらうには、常に技術を学び続けなくてはなりません。ライトフライヤースタジオのTAはとくに守備範囲が広いので、そこは努力が必要な点でもあると思います。

── 小原さんも難しさを感じる部分はありますか?

小原複数プロジェクトに関わることで意識が分散したり、スケジュール調整に苦労したりする点です。特定の業務に必要以上に時間は割けないので、物事に優先順位をつけ、スケジュール的に難しいものは代替案を提示したりしていますね。

愛情を持ち、メンバーやプロダクトと向き合える仲間を増やしたい

── TAチームの今後の目標を教えてください。

岩本チームメンバー全員が将来どこに行っても「私の仕事はTAです」と胸を張れるだけの専門性とオールラウンドな能力をもつ、プロフェッショナル集団をつくることです。今の仕事を円滑に進めるためにも重要ですが、 各メンバーのキャリア形成にあたっても大切だと考えています。

── どのような方であればライトフライヤースタジオのTAとして活躍できると思いますか?また、当社に興味を持ってくださった方へのメッセージをお願いします。

小原TAは環境やチームの変化に対応する場面も多く、意見調整をする際の適応力も求められます。技術的なスキルはもちろんですが、変化を受け入れたりコミュニケーションを円滑に進めたりする際の柔軟性が大事だと思います。

岩本小原さんの話に加えて、ライトフライヤースタジオのVALUEでもある3Rへのカルチャーフィットも重要です。

・「RESPECT」互いを尊重し、わかりあう。
・「RETRY」挑戦する、何度でも。
・「REFLECT」内省を経て、より高みへ。

ただ、これらを体現するには時間もかかります。RESPECTをもつには関係を構築する時間が必要です。完成したゲームがヒットしなかった場合、そこでの学びを次の挑戦に活かすには膨大な時間を要しますよね。

だから3Rに加えて、長期的な目線も必要だと考えています。現実をシビアに見つつも楽観的な姿勢で、粘り強く打席に立ち続ける。腰を据えてプロジェクトに取り組める方がライトフライヤースタジオにマッチすると思います。

── 内省しつつ、前向きにチャレンジし続ける姿勢ですね。

岩本そうですね。そして何よりTAの根底にあるのは、仲間やプロダクトへの愛です。愛があることで、ホスピタリティ、チームワークが生まれ、ゲームへのこだわりも生まれる。その結果、組織力も強まり、創意工夫を凝らしたプロダクト開発ができるのだと思います。今回の記事で、ライトフライヤースタジオのTAに興味を持ってくれる方が増えたら嬉しいです!

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