サウンドチームが語る、業務内容と開発環境。設計から実装まで、他部署と連携し、心震わせる音をつくる

ゲーム中に流れるBGMや効果音など、様々な音をつくるサウンドチーム。ゲーム制作の現場では、裏方的に扱われることも多いですが、ライトフライヤースタジオは「音」の存在を重視しており、サウンドチームは常に制作の中心に据えられています。プランナーへの効果的なサウンド演出の提案や、プログラマーへの最適な実装方法の相談など、多くの部署と連携をしながら、お客さまに心震わせる音を届けます。
具体的な業務内容や開発環境、ライトフライヤースタジオサウンドチームならではの特徴について、2名の仲間に聞いてみました。

井上 幹
スタジオ本部 アート室 Soundグループ Sound2 チーム マネージャー

2013年、新卒でグリーグループに入社。ライトフライヤースタジオのサウンドチームにて、複数タイトルのゲームサウンド制作に横断的に携わる。現在は、Sound2チームのマネージャーとしてチームマネジメントの他、『アナザーエデン 時空を超える猫』メインストーリーのサウンドディレクター兼コンポーザーを担当。新規タイトルのサウンド制作にも携わる。

邵 逸川(ショウ イッセン)
スタジオ本部 アート室 Soundグループ Sound2 チーム

主にXRコンテンツを手掛けるベンチャー企業で約6年、サウンドを主体とした幅広い業務を担当。その後、コンソールゲーム会社でAAAタイトルの開発を経験した後、2023年末にライトフライヤースタジオにサウンドデザイナー兼サウンドエンジニアとしてジョイン。現在は『ヘブンバーンズレッド』を中心に担当し、サウンドデザインのみならず、サウンドのゲームエンジンへの組み込みや既存機能の改善、新機能開発やワークフローの最適化など幅広く担当し、他にも様々なプロジェクトに携わる。

サウンド設計から実装まで、幅広い業務に携わる

── サウンドチームの基本的な業務の流れを教えてください。

井上何をつくるかによって変わりますが、新しいサウンドをつくる場合は、基本的にまずコンセプト設計から入ります。ディレクターやプランナーとコミュニケーションをとりながら内容を固めていき、制作物のリストをつくります。
リストに沿って制作を進め、一通りリストが完成したら、次にゲームへの組み込みに入ります。実際にプログラミングをおこなうのは、主にエンジニアや演出プランナーの方々で、サウンドチームは制作した音が想定通りに組み込まれているかを確認し、必要があれば相談をしながら調整していきます。

── 渡された用件の通りに制作をおこなうわけではなく、「どのような音をつくるのか」を考えるところから任されているのですね。

井上そうです。例えば『アナザーエデン 時空を超える猫』の場合、舞台設定が「古代の街」「未来」など、ストーリーごとに異なります。それに伴って制作する音も、テーマに沿った雰囲気に統一します。
また、シナリオ全体の流れも音の設計において重要なポイントの一つです。悲しいシーンはあるか、どこに感動のピークをもってくるか、主人公はどのような気持ちなのかなど、細かい部分まで理解をし、音の方向性を決めます。

── 緻密なサウンド設計をしていることがよく分かりました。そのうえで、つくって終わりではなく、音を実際のゲームに実装する段階にも、携わっているのですね。

そうですね。実装の段階では、演出プランナーの方々との連携がメインになります。随時お互いの進捗を共有し、音を挿入するタイミングや効果的な聞かせ方等を打ち合わせながら進めます。リリース前は毎日のように何かしらのやり取りをおこなっていますね。

井上実装を任せきりにせず、サウンドチームでも確認をするのは、お客さまがよりゲームの世界に入り込める、没入体験を生み出すためです。
例えば松明が燃えている音の場合、火が点いてから消えるまでの間、ただ音がし続けていれば良いわけではありません。「キャラクターから見て松明のある方向から音がする」「視界から消えても、音がし続ける」「距離が離れるにつれ、音は小さくなる」など細かい調整が必要で、その結果、リアリティを生み出すことができます。一つの音を鳴らすだけでも、その表現の仕方は無限にあるのです。

「挑戦の機会」「学ぶ機会」両方が用意された環境

── ライトフライヤースタジオのサウンドチームの特徴や強みを教えてください。

業務内容の幅広さは特徴の一つです。
会社によっては、サウンドチームの中でも分業が進み、「曲だけ」「効果音だけ」と特定業務ごとに担当者が決められているケースもあります。ライトフライヤースタジオの場合、個々人が得意領域を磨きつつも、幅広い範囲の業務に携われます。担当タイトルも、メインはある程度決まっていますが、他タイトルに関わることも多々あります。

井上邵さんのおっしゃる通り、「柔軟性」が確保されていることは、ライトフライヤースタジオの特徴の一つだと思います。加えて、サウンド設計から実装まで幅広く経験が積めることで、プロジェクト全体のサウンドを監修するサウンドディレクターへのキャリアパスが開かれていることも特徴です。
各業務をマスターしてもらうために育成にも力を入れており「挑戦の機会」「学ぶ機会」両方が豊富にあるチームだと思います。
また、会社全体でサウンドを重視していることも特徴の一つです。一般的に、ゲームづくりではグラフィックやゲーム性が重視され、サウンドはそこまで注力されないケースも多いです。ただ、ライトフライヤースタジオでは一作目の『消滅都市』から音楽を重視しており、SEやボイスも含めたサウンド全体を大事にしています。
スポットライトを当ててもらえる機会も多く、今回のインタビューもそうですが、サウンドチームのメンバーによるライブ演奏やこだわりを表現できる場所が多く用意されています。

「ライトフライヤースタジオ10周年記念フェス」の出演時のライブ映像。



こだわりを追求し、心震わせるサウンドをつくる

細かいこだわりをとことん追求できる環境があるとも感じています。
例えば、最近『ヘブンバーンズレッド』で新しくリリースされた「桐生 美也」のストーリーイベント「28メートルの永遠」の音づくりの場合、実際の弓道場にまで音を収録しにいきました。ゲームの中でも弓道の所作が出てくるため、弓を引き絞る音、矢が飛んでいく音など様々な音が必要でしたが、ストーリーにおけるシーンの重要性を踏まえると、既存の素材の音だけで納得のいくサウンドをつくるのは難しいと判断しました。
そこで、弓道家の方に連絡をとり、音の収録をさせていただきました。竹弓特有の矢が飛んでいく音や的に刺さる音、衣擦れの音など、非常に細かい部分まで拘ってレコーディングし、ゲームへ反映させました。その結果、お客さまにより良い体験が提供できたと思っています。ゲームを遊んでくれた方がSNSを通じて、自分たちが作った音に反応してくれると嬉しいですね。

ストーリーイベント「28メートルの永遠」のPV。



井上リアルの追求も重要ですが、効果的な演出のため、まったく新しい音をつくることも感動体験を生み出すには重要です。直近だと不思議な世界観のBGMを制作しました。「あらゆるものが宝石でできた世界」という現実には存在しないものだったので、その雰囲気が伝わるよう、「キラキラ」的な音を散りばめました。音は、シナリオやビジュアルの魅力を最大限に引き出す役割を果たし、その結果、お客さまに「新しい驚き」を届けることにつながると考えています。

「アナザーエデン 時空を超える猫」第3部 時間帝国の逆襲 後編 イメージPV。



中途入社者がスムーズに、チームに馴染める環境づくり

── 邵さんは、入社して約半年ほど(2024年9月掲載時点)ですが、すでに多くの仕事を任されています。入社してすぐ、幅広い仕事を任せられたのでしょうか?

いえ、最初は、順を追って段階的に業務を割り振ってもらいました。おかげで、できることを一つずつ着実に増やせたと感じています。また、幅広い業務を一通り経験させてもらったことで、サウンドにまつわる仕事の全体像を把握できたことを感じます。

── どのようにして、一つひとつの業務をマスターしていったのでしょうか?

コミュニケーションツールを活用し、とにかく先輩に質問をしながら不明点をクリアにしていきました。中途入社社員のフォローアップ専用の会話チャンネルがあり、そこで質問をすれば、いつでも誰かが答えてくれます。おかげで、スムーズに学ぶことができました。
また、直接的なスキルやノウハウのシェアではありませんが、サウンドチームで実施している「2on1」は、チームメンバーとの関係性構築において、大きな助けになりましたね。2on1では、新入社員が、同部署の先輩2名とコミュニケーションをとることができます。週次で定期的に開催されており、先輩社員2名は毎回別の組み合わせになるようアサインされ、すべての組み合わせが終わるまで2on1は続きます。私の場合は週4回ペースで、約3ヶ月もの間2on1がおこなわれました。おかげで、サウンドチームの仲間たちの業務内容や人柄、チームメンバー同士の関係性まで知ることができ、グッと仕事がしやすくなりましたね。

井上リモート業務は、慣れた環境で仕事ができるため業務効率は高いですが、どうしても人間関係が狭まってしまいやすいと感じています。それを防ぐために始めたのが2on1でした。多くの人と関係性が構築でき、スムーズに職場に馴染め、自身のスキルを高める土壌がつくれるため、これからも続ける予定です。

ゲームサウンド全般に興味があり、日々前向きに働きたい人にはピッタリ

── どのような方と一緒に働きたいか、教えてください。

井上ゲームやゲームサウンドを愛していて、他者にリスペクトをもちながら新しいことにチャレンジできる方と働きたいです。
ライトフライヤースタジオでは制作から実装、ディレクションまで幅広い業務を経験できます。1つのスキルに特化するというよりは、ゲームサウンド全般への興味やモチベーションがある方にぴったりな職場です。会社の「新しい驚きを、世界中の人へ。」というビジョンに共感でき、前向きでやる気のある方であればきっと楽しく働けるのではないでしょうか。

同感です。
ライトフライヤースタジオは約600名を越える大規模な組織になってきましたが、ベンチャー企業に近い雰囲気があります。固定された上下関係はなく、誰もが互いに尊重し合いながらフラットに意見を言い合える環境です。だからこそ、やりたいことが定まっており、明確なキャリアビジョンをもっている方にとって、きっと大いにご活躍いただける環境があるのではと思います。

── 最後に、候補者の方々へメッセージをお願いします。

井上サウンドチームは2on1や対面でのチームビルディングなど、仲間とのコミュニケーションを大切にしています。働きやすく、結束力の高いチームを目指しており、実力さえあれば年齢問わず、責任ある業務を担える環境ですので、我こそはと思う方は、ぜひご応募ください!

ライトフライヤースタジオは組織としての透明性が高く、風通しの良い会社です。サウンドチーム内だけではなく、定期的におこなわれている全体ミーティングなどを通して、直接的に関わりのない部署や役職の方々の、業務内容や考えについても知ることもできます。また、業績含めた会社の現状や今後の展望・チャレンジについても頻繁に共有されるため、日々モチベーション高く働くことができます。高い当事者意識をもって仕事がしたい方は、ぜひ一緒に働けると嬉しいです。

ライトフライヤースタジオでは一緒に働く仲間を募集しております

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