サービス品質の明暗を左右する。ライトフライヤースタジオのデータ基盤エンジニアが及ぼす影響力

「新しい驚きを、世界中の人へ。」を目指すライトフライヤースタジオは、ゲーム制作において感情を動かすクリエイティブな思考と、データを突き詰めたロジカルな思考の両輪を大切にしています。

そして、様々なデータをもとに事業判断をする上で欠かせないのが、データ基盤エンジニアの存在です。

今回は、データ基盤エンジニアとしてログ分析基盤の開発責任を務めるメンバーにインタビュー。データ基盤エンジニアの魅力を、業務とキャリアの視点から語るだけでなく、ライトフライヤースタジオだからこそ得られるやりがい、今後の展望なども話してもらいました。

郡司 匡弘
開発本部 技術室 Data Platform チーム

大手SIerや通信会社を経て、2015年に入社。スマートフォンゲームの共通基盤(課金・認証)のエンジニアとして、iOS/Android向けのSDKやバックグラウンドシステムの開発・運用、AIチャットボットのシステム設計・実装、ファンコミュニティ・プラットフォーム『Fanbeats(ファンビーツ)』の開発を手がける。現在はマーケティングデータ基盤やゲームのログ分析基盤の開発責任者として活躍。

ゲーム開発を志し、ライトフライヤースタジオへ

── これまでのご経歴を教えてください。

郡司 匡弘(以下、郡司)前職では大手通信会社でWebサービスの開発・運用をしていました。

2015年にグリーへ入社してからは、モバイル向け課金認証基盤のSDKやバックグラウンドシステムの開発・運用に参画。その後、AIチャットボットシステムの開発・運用に関わり、ファンコミュニティ・プラットフォーム『Fanbeats(ファンビーツ)』の開発責任も務めました。

データ基盤エンジニアとしてのキャリアは2019年ごろからです。マーケティングのデータ基盤開発を経て、現在はログ分析基盤の開発責任を取っています。

── ゲーム業界に転身した理由は何だったのでしょうか?

郡司元々ゲームが好きで、スマートフォンゲームの開発・運用に携わりたいという想いがあったからです。ライトフライヤースタジオには転職活動をする中で出会い、情熱的かつ真摯にゲーム制作に向き合う文化に惹かれて入社を決めました。

「データの安定的な提供」を着実に遂行する

── データ基盤エンジニア組織の変遷について教えてください。

郡司2021年〜2022年にかけて、『ヘブンバーンズレッド』をはじめ、新規タイトルのリリースが予定されていたため、ログ分析基盤を強化する必要性が強まってきました。

昔からデータに関するエンジニア組織は存在していたのですが、データアナリストも含めて分析組織を拡大することを決め、今のデータ基盤エンジニア組織のかたちとなりました。

── データ基盤エンジニアのミッションは何ですか?

郡司ライトフライヤースタジオは、お客様の声を聞き、ゲーム内のデータを使いながら運営をしています。私たちはその元となるログ分析基盤を構築・運用し、アナリストやプランナーにデータを提供するミッションがあります。

リリース直後のデータは初速分析に使い、その後のゲーム運用に活かしてもらう。さらに蓄積した分析結果は、今後のタイトルの成功確率を上げる参考材料にしてもらいます。

ゲーム制作は数年かかることもあり、リリース後に伸び悩む場合もあるため、データ基盤エンジニアが扱うデータは、その制作をより効率化したり、タイトルを成功に近づけたりする上で大事な存在なんです。

── ミッション遂行のために実施してきたことをいくつか教えてください。

郡司2017年にリリースした『アナザーエデン 時空を超える猫』(以下、『アナデン』)について、昔はAWS EMRのログ分析基盤を使っていたところを、GCPのBigQueryベースの基盤に切り替えたことが記憶に残っています。

変更の理由は、サーバー費用が安く、分析能力も高いため。『アナデン』は今後さらに10年続くゲームだと思っているので、未来も見据え、ログ分析基盤のコスト削減と、分析の部分での使いやすさを向上させたかったのです。このプロジェクトは2022年の7月から半年ほどかけ、部署を跨いだ約10名と連携しながら進めました。

2019年ごろに構築したマーケティングのデータ基盤も、ゲームの今後を見極める上で重要な判断材料となっています。この基盤は、AdjustやFirebase Analyticsを中心に構築。オンライン広告の効果から、各バナーなどの広告価値を判断できる仕様になっています。

── それまでも、広告効果の分析は実施していたのでしょうか?

郡司はい。以前は別の分析基盤を活用していましたが、「広告投資効果の分析能力をさらに向上させたい」と思い、一から基盤をつくり直しました。

エンジニア2〜3名の他に、実際にデータを使うマーケティング部のメンバーとKPIの可視化がしやすい方法を議論しながら進めました。これが、ライトフライヤースタジオでのデータ基盤エンジニアとして初めての仕事です。

事業判断スピードにも影響を及ぼすデータの力

── ライトフライヤースタジオのデータ基盤エンジニアならではの魅力を教えてください。

郡司一般的に、スマートフォンゲームのデータは他の事業やサービスよりもデータ量が多いとされていますが、その中でも『ヘブバン』のような人気タイトルは、とにかくデータ量が多い。ここまで大量のデータを捌くアーキテクチャを扱えるのは、データ基盤エンジニアにとっては最高の環境だと言えるでしょう。

またライトフライヤースタジオでは、あらゆる事業判断にデータが使われているので、そのデータを提供しているという点で、事業への貢献を感じられます。

── ライトフライヤースタジオがデータを重要視するのはなぜでしょうか?

郡司代表の柳原がデータアナリストだったこともあり、クリエイティブな感性を持ちながらも、会社の経営方針としてデータに重きを置いています。

おかげでデータの重要性を理解し、活用してくれるメンバーも多いですね。データ基盤を刷新した結果「事業判断が早くなった」「使いやすくなった」と他職種の方が言ってくれるので、やりがいを強く感じます。

── 対して、難しい部分もあると思います。

郡司経営陣を含め、様々なレイヤー・職種の方と関わるポジションなので、コミュニケーションのとり方で難しさも感じます。データアナリスト、プランナー、サーバーサイドエンジニア、インフラエンジニア、他部署のエンジニアなど、それぞれで優先すべき事象が異なりますからね。

さらに、ゲームタイトルごとに文化や要件も変わってきます。それらを踏まえて、各プロダクトのプランナーと議論しながら方針を決めていくことは、一筋縄ではいかない部分も多いです。一方でここが自分の強みでもあり、プロジェクトを進める上で重要なポイントでもあると認識しています。

そして各レイヤー・職種のみなさんと話し合いを重ねた結果、社内におけるデータ基盤への理解も深まっていて、タイトルにも良い影響が出ています。こうした成果を実感できるとやりがいを感じますね。

── 良い相乗効果が生まれているんですね。

郡司また、大量のデータを安定的に捌いて、データを欠損することなく提供する部分にも緊張感を持って取り組んでいます。

部署やプロジェクトによっては、1時間ごとの売り上げやユーザー数が必要なケースもあります。つまり、リアルタイム性を維持しながら、基盤を当たり前に正常稼働させなければなりません。

── 具体的に取り組んでいることは何でしょうか?

郡司データ基盤を開発する際の、要件整理・設計・実装・テスト・負荷試験・リリースなどの工程を着実におこなうことに尽きると思います。データ基盤をつくってからは、流れてきたデータに不備がないか、検品も実施すべきです。

そのためには、システム障害・データの欠損を自動的に検知して、早めにリカバリするための技術も必要。今の基盤には、障害通知の自動化、障害発生の予兆検知をおこなう目的で、PagerDuty、GCPのalert機能などを組み込んだり、データの転送前後に件数比較ができる仕組みを構築したりしています。こういった積み重ねにより、正常稼働を実現しているんです。

合わせて、最新のシステム技術を検討する視点も大切にしています。例えば、社内で特に使うKubernetes、Docker、BigQuery、pub/sub、ELT処理、SQLワークフローなどに関わる知識や情報は、エンジニア間でも共有していますね。

もともと新しいものに前向きな社風なので、今後もスタッフの持っている技術や意見を積極的に取り入れ、プロジェクトに最適な方法を目指し続ける予定です。

活躍の場が広い。データ基盤エンジニアのキャリア

── 今後の目標について教えてください。

郡司まずは関連組織でもデータの見える化や活用の精度を上げられるよう、私たちがつくったデータ基盤の横展開を進める予定です。

海外展開をする際の翻訳も、AIや機械学習による効率化の方法を模索しています。特に『ヘブバン』はストーリーや言葉の表現が独特なので、文化やニュアンスに考慮した、人の手による翻訳がどうしても多くなってしまう。

データサイエンスを事業に結びつけるまでの難しさはたしかにあるのですが、スタート地点となる一次翻訳のクオリティを機械学習によって引き上げ、人の手をよりクリエイティビティが必要とされる部分に割けるようになれば、社内にも良い影響が生まれるはずです。

もしデータサイエンティストとしての業務に興味を持つ方がジョインしてくれたら、このプロジェクトも現実味が増してくるだろうと期待しています。

── ライトフライヤースタジオ、そしてデータ基盤エンジニアに興味を持っている方にメッセージをお願いします。

郡司データ基盤エンジニアは業務がなかなか見えにくい職種かもしれません。しかし、データ活用が叫ばれている昨今、データ基盤エンジニアは不可欠な存在だと思います。

ニーズのある職種である一方、その役割を全うできる人はまだまだ少ないのが現状です。そのため、データ基盤の開発・運用スキルは、「人生の武器」になるものだと考えています。

またデータ基盤エンジニアは、データを利用するアナリスト、サイエンティストなどにもジョブチェンジしやすく、キャリアの幅を広げやすい特長もあります。ライトフライヤースタジオであればさらに、分析結果をもとに改善策を提案するような、ゲームをつくる側のデータアナリストへの道も拓けるでしょう。

── クリエイティブ面でも活躍できる可能性があるんですね。

郡司もちろん、ゲームに詳しくなくても開発好きな方、大学生のころに統計をやっていた方など、データにとことん向き合いたい方にも活躍の場を保証できます。

また最新技術を取り入れながら、データをクリエイティブに活用したい方にもおすすめの環境です。実際『アナデン』のゲーム分析基盤の刷新は、ライトフライヤースタジオがデータ分析の価値を感じ、新しいものを積極的に取り入れる姿勢があったから成し遂げられました。

こうした仕事に魅力を感じる方は、ぜひカジュアル面談でお話ししたいです。ご連絡​​お待ちしています。

ライトフライヤースタジオでは一緒に働く仲間を募集しています

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