6ヶ月の育休を経験した男性役職者が明かす、ライトフライヤースタジオの育休事情

育児・介護休業法の改正なども働き、男女ともに育休を取得する方が加速しています。ライフステージが変わったとき、育休に助けられる可能性は大いにあるでしょう。

ライトフライヤースタジオでも、性別や役職に関わらず育休取得実績が増えてきており、産休・育休の復帰率は100%です。(2022年4月現在)

今回は、2021年2月から2021年8月までの6ヶ月間、育休を取得したシニアマネージャーの野村さんにインタビュー。育休を取得したきっかけ、育休中の過ごし方、そして復帰後の働き方の変化など、育休にまつわるお話を詳しく聞いてみました。

野村 尚央
Studio本部 / Technology Development部 / Engineering2グループシニアマネージャー

株式会社コナミデジタルエンタテインメントを経て、2012年にライトフライヤースタジオへ。複数タイトルの立ち上げやリード、マネジメント業務に携わりながら、オフショア開発におけるベトナムとのやりとりにも参画。現在は『ヘブンバーンズレッド』『ソードアート・オンライン アンリーシュ・ブレイディング』のクライアントサイドエンジニアを束ねるシニアマネージャーを担当。

6ヶ月間の育休取得を相談。上司も同僚も協力的だった

── 野村さんは元々、育休の取得予定があったのでしょうか?取得のきっかけを教えてください。

野村 尚央(以下、野村)前々から「いずれ子どもが生まれたら育休を取りたいな」とは思っていました。育児は大変だと周りから聞いていたので、全力で対応したかったんです。もちろん単純に、子どもが好きなこともあるんですけどね(笑)。
あと、子どもが生まれるタイミングまでに、シニアマネージャーの仕事もある程度落ち着くと想定できたことも影響しています。当時担当していたタイトルを任せられるメンバーも揃っていたので、そこで育休取得がより現実的になりました。

── 取得すると決めてから、まず誰にどんな相談をしましたか?社内における業務引き継ぎ等の経緯も教えてください。

野村子どもが生まれたのが2020年の12月なのですが、妻が安定期に入った2020年の6月ぐらいには、上長である部長・紙谷さんに「育休を取ろうかと考えています」と話はしていました。
妻はもともと1年間の産休・育休を取得する予定でいて、自分はその期間に被せるかたちで検討していましたね。
上長に相談してからは、引継書をすぐ作成しはじめました。自分が持っている業務を洗い出して、引き継ぎができたものからチェックをつけて項目を埋めていくような表を。
公に同僚のみなさんにお伝えしたのは、休みに入る3、4ヶ月ぐらい前でした。自分はマネージャーで、引き継ぐことも多かったのでおそらくこれまで育休を取得した方よりも早めに共有したと思います。

── となると、引き継ぎのボリュームも多かったのではないでしょうか?

野村たしかにマネージャーという役割上、引き継ぐ項目も多かったですね。作業自体の引き継ぎというより、ファシリテーションや権限の引き継ぎが大半を占めていました。
当時の私はシニアマネージャーとマネージャーを兼任していたんです。2プロダクトのマネージャーと、そのグループをまとめたシニアマネージャーをしていたので、各プロダクトごとのマネージャーはそれぞれ他の人に引き継ぎました。そしてシニアマネージャーに関しては、上長である副部長の井田さんにお願いして。
事情を話したら、みなさん「やります、協力します」と言ってくださり、すごく助かりました。

── 育休期間を6ヶ月間にした理由や、経緯を教えてください。

野村自分より前に取得した人はだいたいみんな6ヶ月だったので、その流れでした。最近の人も6ヶ月が多い気がします。
ただ自分は、子どもが生まれた12月から、2021年の2月までの2ヶ月間は有給休暇を取っていたんです。いきなり育休ではなく、有給休暇でたまに出勤したりチャットを返したりするような体制のほうが、スムーズに業務を引き継いでもらえるのではないかと思っていて。
実際はみなさん責任を持って仕事をしてくれたので、その2ヶ月間で急に対応しなければならない状況もなく、本当に円滑でした。それでそのまま6ヶ月の育休に入り、戻ってきても育休前の役職と変わらず業務に携われています。

子どもと一日中いられる、こんなに幸せな時間ない

── 実際に育休を取得してみて、良かった点を教えてください。

野村子どもと毎日一緒に過ごせるのは何より良かったです。日中仕事をしているとそんな時間はなかなかないですよね。人生の中でもすごく貴重な時間でした。
朝起きてからずっと一緒にいて、日中、散歩に連れて行ける状況は恵まれているなと。妻と3人で散歩することも多かったですね。どちらかが寝不足になったら、片方が子どもと2人で行くこともありましたが、そうやって助け合えたのも育休の恩恵かなと思います。
あとは育児に100%集中できる点もすごく良かったです。もちろん育休を取得していない方も育児に全力ですが、仕事をしているなかで子どもに何かが起きると、一度仕事の調整をしてから動くケースもありますよね。でも育休中はそれがなかった。何も考えずストレートに育児に集中できるので、心に余裕がある状態で子どもと過ごせました。

── たしかに気持ちの面でも良いことが多そうですね。一日中お子さんと過ごすことで、立ち会えた瞬間などはあったのでしょうか?

野村はい。初めてハイハイしたり、寝返りを打ったり、育休のおかげで立ち会えた瞬間はいくつかあります。逆にそういうことを妻だけが見ていても、聞いてすぐその瞬間の喜びを共有できる幸福感がありました。

── 終始、野村さんの幸せな様子が伝わってきます。では育休中に大変だったことはありますか?

野村そうですね、大変なことはあまりないんですよね。自分の業務を引き受けてくださった社内のみなさんは大変だっただろうなとは思うんですけど(笑)。そのおかげで育休中に、育児で大変だったことは本当になかったですね。取って良かったと思うばかりです。

── 育休中は緊急時の連絡など、会社からのコンタクトはありましたか?

野村ほぼなかったですね。代表の柳原さんから「ランチでもどうですか?」という連絡が来て、その近況報告も兼ねてごはんを食べに行った程度です。業務上のやりとりはなかったです。

育休前と変わらないパフォーマンスで、柔軟に働ける

── 育休から復帰するときの心境はどうでしたか?また、育休前と変わっていた社内の状況など、復帰して感じたことも教えてください。

野村自分がいない期間に、組織やプロダクトがどうなっているのか楽しみでした。何か大きく変わったり、自分がいない間にメンバーが成長していたり、そういった状況を見てみたい、と。
実際復帰してみると、担当していたプロダクトがすごく面白くなっていたんですよね。休みに入る前は、制作序盤の「アルファ版」ぐらいだったので、機能もこれからだったんです。
戻ってきてプレイすると、すごい完成度なんですね。自分が知らない機能がいくつも追加されていて、「これは人気が出るぞ」と分かるくらい面白いゲームになっていました。一方で正直、面白くなっていく過程に自分が関われなかった歯がゆさみたいなものも少しだけありました(笑)。でも、それくらい大きな変化を目の当たりにできたのは嬉しかったです。

── ポジティブな変化がたくさんあったんですね。では、育休復帰後の働き方で工夫していることがあれば教えてください。

野村今は、新メンバーの受け入れ対応やPCのセットアップなど、会社でしかできないことがあるとき以外はリモートで働いています。
そのおかげもあり、育休前とは稼働時間が少し変化しながらも、自分のペースで仕事ができています。今は、夜に子どもをお風呂に入れることがあるので、それまでに退勤したり、一度お風呂に入れるために抜けて、そこから戻ってきたりする働き方に変わりました。以前は区切りが良いところまで作業していたのですが、子どもの生活リズムに合わせています。
でも、ライトフライヤースタジオでは柔軟な働き方ができるので、以前と変わらないパフォーマンスで働けていると思います。「子どもの都合で少し抜けます」と周囲に伝えても、みなさん協力的なんですよ。良い意味で何とも思わないというか、マイナスに受け取らない。
他の人も「保育園の送り迎えでちょっと抜けます」といったことはしょっちゅうあるので、それがライトフライヤースタジオの文化として当たり前になっている感じがします。

── 野村家流の家事・育児分担ルールなどがあれば、教えてください。

野村これといって示し合わせたルールはありませんが、基本的に余裕のある方が動く柔軟なスタイルです。今のところ喧嘩もないので、このスタイルが野村家には向いているのかなと。
具体的には、ゴミ出しや、子どもを保育園へ送ること、お風呂に入れること、自分たちの食事をつくる機会は自分が少し多いかもしれません。逆に、保育園のお迎えや離乳食の用意、洗濯、掃除などは妻が主にやってくれています。料理は、自分がつくると辛めの、赤ちゃん向けというよりは大人寄りの味付けになるので(笑)。そこら辺は分担と言いますか、「こっちのほうが向いているよね」とざっくり話しています。
お風呂に入れることは単純に、自分が入れたい要望が強くて。妻も子どもをお風呂に入れたいようなんですが、結構取り合いです(笑)。保育園の送り迎えも「今日は僕が迎えに行こうか」「いや、私が行く」「僕も行けるよ」みたいな感じで。子どもの顔を早く見たいし、保育園でどういうことをしているか見たくて互いに積極的になっています。
今は1歳5ヶ月になったんですけど、保育園で自分の靴を下駄箱に入れたりとか、そういったこともできるようになっていて成長を感じますね。

自信を持って育休を取得してほしい

── これからよりライトフライヤースタジオの育休取得を推進していくために、大切なこと、必要なことは何だと思いますか?

野村周りの人がどんどん育休を取得して、それが当たり前の状況になるのが大切だと思います。
とはいえ、ライトフライヤースタジオでは現状、多くの方が育休を取っているんですよね。直近1年ほどの、自分が見えるエンジニアの範囲で言うと、子どもが生まれた家庭の男性はもれなく取っているので、だんだん当たり前の状況になっている気がします。
だから、ライトフライヤースタジオに限って言えば、取得する人が既に多いので無理に推進しなくても、そういった流れになっていると感じました。
ただ友達に「育休を6ヶ月取るんだ」と話したらすごく驚かれたので、他の会社では、男性が育休を取得すること、そして半年間という長さもまだまだ当たり前ではないんだと気付かされました。
あとマネージャーは、子どもが生まれる旨の報告を社員から受けた段階で、「育休どうする?」みたいなことを全員に聞くので、それも推進の役目を果たしているかなと。上司がそういったことを当たり前に考えてくれると、育休取得の動きも全体的に実現されると思います。
ちなみに育休に限らずですが、ライトフライヤースタジオでは休みや、一旦抜けるような状況をカバーできる人が多いので「この人がいなかったら困る」となることはなるべく避けています。属人的な状況を減らしながらカバーする、ホスピタリティのあるメンバーが多いんです。
だから子どもが大きくなって、今とは違う生活になったとしても柔軟に対応できる会社だなと感じました。

── 最後に、育休取得を検討している男性社員にメッセージをお願いします。

野村お子さんが生まれる方は、自信を持って取ってほしいです。自分目線で色々話してしまいましたが、育休によってパートナーもきっと助かるはずです。
あとは先述したように、やはり子どもとずっと一緒にいられるというのは本当に素晴らしくて、今思い返しても貴重な時間だったと感じます。取りたい方はぜひ取得してほしい。
もちろん育休によって収入面が気になる方もいると思います。ただ、育児休業給付金などの制度もあるので、そういったものを活用すれば不安も軽減されるはずです。
またライトフライヤースタジオなら気軽に上長と話ができるので、相談もおすすめしたいです。みんな親身に聞いてくれて、参考になるアドバイスをくれるんですね。
育休から戻ってきたときも、直属の上長と1回、そして事業部長と1回と、2日に分けて、今後自分が任せてもらう業務について丁寧に説明してもらいました。おかげで自分がいない間に組織で起きた変化も分かったし、自分がこれからする業務も理解できて。じゃあ自分はどういった動きをしていこうか、といった話までできたのがすごく良かったです。
自分で言うのもなんですが、役職者が育休を取得しても組織がうまく回るのは、多分ライトフライヤースタジオに組織力があるからなんだろうなと思います。生活スタイルやライフステージが変わっても、立場に左右されることなく、みんなが受け入れ合いながら働ける環境だと身を持って感じました。

ライトフライヤースタジオでは一緒に働く仲間を募集しています

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