
個の知見を、チームの力へ。グラフィックエンジニアが拓く、表現の未来。
コンセプトアートを具現化し、画面の中に異世界をつくりあげるグラフィックエンジニア。クリエイターの頭の中にある絵を、ゲーム体験に最適なかたちで実装します。今回はグラフィックエンジニアの2名にインタビュー。具体的な業務内容、ライトフライヤースタジオにおけるグラフィックエンジニアの魅力について聞きました。

2014年グリーグループ入社。『ヘブンバーンズレッド』『アナザーエデン 時空を超える猫』をはじめとした複数のタイトル開発において、クライアントサイドから携わり、テクニカルディレクターとして技術選定の側面から、複数プロジェクトに横断的に参画。技術的な知見と経験を活かし、社外カンファレンスへの登壇経験も多数。

新卒でオーストラリアの大学を卒業後、ソフトエンジニアとして就職。iOS、Windows、Webアプリケーションなど、幅広いプラットフォームの開発に携わる。2012年にグリーグループへジョイン。現在は、グラフィックエンジニアとして新規プロジェクトの開発に従事している。
個々の知見を結集し、必要な知識と技術を取捨選択できるチームへ
── グラフィックエンジニアの基本的な業務の流れを教えてください。
西田ライトフライヤースタジオでは、それぞれのグラフィックエンジニアが各プロジェクトに入り込んで仕事を進めており、やり方はそれぞれ異なります。
野口例えば、私が担当する新規プロジェクトでは、コンセプトアートをベースに、プランナーをはじめ複数部署と連携をしながら実装を進めることが多いです。
グラフィックエンジニアの役割としては、アーティストさんが作った絵を基準に、どうしたら最適なゲーム体験ができるのか? 関わるメンバーたちと共に考えながら進めていくことだと感じています。そのため、他部署のメンバーとのコミュニケーションは欠かせません。常に、どうやったらお客さまにゲームの楽しさと絵の美しさを届けられるかを考える仕事でもあると思います。
── 組織としては、プロジェクトごとに担当のグラフィックエンジニアがいるイメージでしょうか?
西田そうですね。ただ2022年から新しく「グラフィックエンジニアチーム」を発足し、少しだけ組織体制にテコ入れをしました。
現在、ライトフライヤースタジオには8名(2025年6月時点)のグラフィックエンジニアが在籍しています。プロジェクトごとに仕事を進めていくと、どうしても絵の作り方がエンジニアごとに異なりますし、既存のノウハウが共有されず、同じような開発をそれぞれが重複して行ってしまう懸念がありました。そうした課題を解決するために、グラフィックエンジニア同士で集まり、情報交換することになったのがチーム発足のきっかけです。

野口とはいえ、チームを発足したからといって、働き方は変わっていません。
変わった部分でいうと、これまで個人的な人とのつながりで情報共有・交換していたことが、チーム化されたことで新しい気づきを得る機会が増えたことではないでしょうか。 ただし「この技術をみなさんで使ってください」と強要されるようなチームではないので、知識や技術の取捨選択は個人に委ねられています。
── チームで共有された情報は、必要に応じて知識や技術をグラフィックエンジニアが取り入れ、各プロジェクトで活用する…ちょうどいい塩梅ですね。
西田絵づくりの基盤をみんなでやろう! この技術をみんなで使おう! みたいな強制感があるチームではないんですよね。プロジェクトごとに活躍するグラフィックエンジニアたちの知識を共有し、やるかやらないかは本人たちに委ねる形にすることは、チーム化するうえで意識したところです。進化スピードが速い今の業界で、グラフィックエンジニアが活躍していくためにはこのスタイルがうちには合っていた、ともいえるでしょう。
多様な経歴のグラフィックエンジニアが自由に働ける環境
── ライトフライヤースタジオではどのような経歴のグラフィックエンジニアが活躍しているのでしょうか?
西田コンシューマやモバイル、PC向けのゲーム開発をやっていた方や映像制作をやられていた方など、多種多様な経験をもったグラフィックエンジニアが在籍しています。
野口共通しているタイプでいうと、自由度が高いというか……自分で「こうやった方が楽しい!」と積極的にお互いが作ったものを評価し合える人たちが多いと思います。多様なキャリアの人たちがいると意見が対立しそうに思いますが、うちの場合「そういう意見なんだね」としっかり話を聞いて歩み寄れる人が多いのも特徴でしょう。
幅広い技術を持つグラフィックエンジニアだからこそ、考え方の幅も自然と広がっていく。その結果、新しい刺激が増え、仕事も楽しく、進めやすくなるのかもしれません。正直な話だと、真面目に仕事をして成果を出せていれば、割と自分の好きなことができるので、私にはこの自由さが合っていると思っています。

── 自律した働き方ができる人たちなんですね。ライトフライヤースタジオのグラフィックエンジニアならではの特徴があれば、教えてください。
野口ドラマチックなRPGやストーリー性の強い作品が多いことから、アートチームからの要求が高いのは特徴かもしれません。具体的なイメージをもって相談されることも多く、ゲームとしてどこまでかたちにできるか、そしてそれをどうお客さまに届けられるのか、難しさもありますが、それだけ挑戦しがいのある仕事だと思います。
とくにスマートフォンゲームの場合、ハードウェアに制限があるため、ただ美しいビジュアルを実装できれば良いわけではありません。限られた容量の中で、いかに効率的に、かつ理想に近いかたちでアウトプットさせられるかが重要です。適切なバランスを見つけ、最適な表現方法を導き出すことが求められます。
── スマートフォンゲームのことを考えると、全人類が同じ端末を使ってくれていたらいかに表現しやすいか……なんて思ってしまいます。
西田確かにしんどいですが、ユニークな部分でもあるんです。「この端末でも、ここまでのグラフィック表現ができた!」と、やりがいになる人もいるでしょうから。
当社では、スマートフォンゲーム以外の制作も行っているので、個人的にはあまり制限の部分を気にしすぎることはないかもしれません。私の場合だと、技術はあとから考える。制限がある環境で制作していくことは、グラフィックエンジニアごとに工夫しがいがある部分だと思いますよ。

現状にとどまらず、一緒にグラフィックの未来をつくれる人と働きたい
── 日進月歩な業界で、新しい表現技法はどのように探求されているのでしょうか?
野口参考書籍や専門書については、用途を事前に説明した上で社内申請を行い、会社から購入許可を得ています。そうした専門書から情報を得るほか、最近では海外のグラフィックエンジニアの記事やYouTuberからの情報などを参考にすることもあります。情報の収集方法は人それぞれですが、週に一度、チームで定例ミーティングを開催しているのでそこでの知見なども参考にしています。
西田チームの定例ミーティングは毎週Zoomで行っているのですが、エンジニアのSlackに「興味がある人はご参加ください」とオープンなミーティングの形式を取り入れています。グラフィックに興味はあるけど手は出せていない、そんな方々も聞きにきてくれています。
── 素敵です! これからグラフィックエンジニアチームとして挑戦したいことがあれば教えてください。
西田チームとして何かを生み出すことを目的にしているわけではないので、挑戦となると難しいかな。日々進んでいく中で、目標が定まっていくチームとも言えるでしょう。これという正解はありませんが、グラフィックエンジニア同士が連携することで、プロジェクトの中での資産が積み重なり、垣根を超えてもそれぞれがいいもの、おもしろいゲームを生み出せるそんなチームになったらいいですね。
野口ゴールとしては、社内外いろんな人から声がかかって交流ができたり、一定の知恵を蓄えることで、今よりももっと相談し合える、情報共有の幅が広がっていくことが理想かな? と思います。そういった積み重ねを通して、チームを育てていくことが大切だと考えています。
── ありがとうございます。最後に、どんな人と一緒に働きたいか教えてください。
西田特殊な組織体ではあるので、自由度が高いところで働きたい人。今の職場で、窮屈さを感じている人は合うのかな? と思います。
また国外でのゲームクオリティが急速に進化するなか、「負けたくない」「日本のゲーム市場をより強くしていきたい」という意志をもっている方となら、一緒に新しい価値を生み出せると考えています。
野口一言で表現するのなら、柔軟にやっていける人。だからといって自分の意見がゼロというのは違います。自分なりのこだわりを持ちながら、いろんな人とシナジーを起こし、コミュニケーションを重ねていくことでパワーを増幅させていける人が合っているのではないでしょうか。
技術を突き詰めることももちろん大切ですが、最終的に「お客さまのために何ができるか」を考え、周りと協力しながら開発を進められる方と一緒に働けると嬉しいですね。

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