端末を用いたテストプレイ担当で終わらない。ライトフライヤースタジオのQAが挑む、「面白さ」の最大化

ゲーム開発に欠かせないQA(品質保証)。「テストプレイ」が主業務であることも多いですが、ライトフライヤースタジオでは、テスト計画の設計・管理、品質分析、改善提案など、タイトル品質向上のための幅広い業務を担います。

今回はQAチームの2名にインタビュー。具体的な業務内容、ライトフライヤースタジオにおけるQAの魅力について聞いた。

野本 雅俊
Customer & Product Satisfaction部 QAグループ WFS & Linguistic QAチーム マネージャー

2012年、グリーグループへ入社。グリープラットフォームの課金関連の検証を担当。2015年、ライトフライヤースタジオのQAチームに配属され、複数ゲームタイトルのQAを担当。2018年にマネージャーに就任。現在は、ライトフライヤースタジオ関連タイトルのQA、LQA(Linguistic Quality Assurance)チームのマネジメントをおこなう。

山本 幸寛
Customer & Product Satisfaction部 QAグループ WFS & Linguistic QAチーム

家庭用ゲームやモバイルゲームのQAを経験後、2021年にグリーグループに入社。ライトフライヤースタジオのQAチームにて、長期運営タイトルを担当。

他業種と同業種、それぞれから見たグリーグループの魅力

── 野本さんはもともと、大手通信会社でエンジニアを務めていました。なぜ、グリーグループのQAにキャリアチェンジしたのでしょうか?

野本当時携わっていた業務システムの開発に、強いモチベーションを感じなくなったことが大きな理由です。開発がつまらなかったわけではありません。ただ、一般の人が直接触れるシステムではなく、自分自身も日常で使わないので、誰かの役に立っている実感をもちにくかったのです。

転職を検討するようになり、エージェントに相談をすると「グリーグループのQAはいかがでしょう」と提案を受けました。そこで初めて、QAが専門職として存在していることや、ゲーム業界で重要な役割であることを知りました。私にとってQAは、エンジニアの役割の一つで、専門職として確立されていることを知らなかったのです。自分のこれまでの経験が活かせるならと、興味をもちました。

また、子どものころからゲームが好きで、グリーグループのゲームもプレイしていました。テレビCMでもよく見かけ、周囲でもプレイしている人が多かったですね。多くの人が楽しんでいるゲームに、自分も携われるなら面白そうだと思いました。

最終的には、当時のグリーグループの組織状況が決め手になりました。QAチーム立ち上げのタイミングで、体制や業務範囲が固まりきっていなかったのです。挑戦できることが多い環境であり、これからのQAをつくっていくという点に強く惹かれました。

── 山本さんは、もともとゲーム業界で家庭用・モバイルゲームのQAを経験されていましたがなぜ、同業界のグリーグループに移ったのでしょうか?

山本ゲーム業界全体のQAのプレゼンスを向上させたいと思っており、グリーグループならそれができると感じたからです。

これまでいくつかの会社でQAを経験するなかで、その役割が軽視されがちだと感じていました。私は、QAは単なるテスト屋さんではないと思っています。ゲームの魅力を伸ばし、面白さを最大化する役割で、お客さまの満足度を高める非常に重要なポジションだと考えています。

転職活動をおこなうなかで、グリーグループのQAは、ゲーム開発の上流工程から関われることを知りました。また、他社を巻き込んでQAに関する勉強会や研究会、外部登壇を積極的に実施していることも知り、魅力的に感じました。グリーグループであれば、QAの理想的なあり方を追求し、業界全体のプレゼンスを高めることにも貢献できると、ジョインすることを決めたのです。

テスト実行だけではなく、設計・管理・改善まで主体的に取り組む

── ライトフライヤースタジオQAチームの、業務内容について教えてください。

野本主な業務は、テストの全体設計や運用最適化です。

例えば新機能リリースの場合、最初にテスト範囲、実施体制、スケジュールなどの計画を立てます。その後は、社内メンバーのアサイン、外部企業への発注をおこない、進行管理をしながら、何かトラブルがあれば解決をしていく、というのが基本的な流れです。プロセスの効率化は常におこなっており、日々、業務自動化も検討・推進しています。

── 現在のチーム体制についても教えてください。

野本QAは4つのチームに分かれており、それぞれ担当する事業やプロジェクトが異なります。私たちが所属するのは、ライトフライヤースタジオのゲームタイトルを担当するチームです。メンバー構成としては、社員が6〜7名ほど(契約社員も含む)で、アルバイトスタッフが20名程度、さらに協力会社の常駐スタッフが20名程度おります。プロジェクトによっては、社外メンバーを増やし、さらに多くのスタッフと関わることもあります。

── QAチームの雰囲気についても教えてください。

山本やわらかく、コミュニケーションが取りやすい雰囲気です。実際、意見交換は活発におこなわれており、ミーティングの後に「こういうテスト手法を試してみたんだけど、どう思う?」と気軽に相談するシーンをよく見かけます。

背景には、上昇志向が強く、自分の仕事に情熱をもっている仲間の多さがあります。新しい知識や技術を積極的に取り入れようとする姿勢をもっている人が多い印象です。

野本ゲーム好きも多いと思います。ゲームに限らず漫画やアニメなど、エンタメ全般に興味をもっている仲間も多いです。「こないだのアレ見た?」と、盛り上がることもよくありますね。

たまに、仲間で集まってゲームをプレイすることもあります。入社してすぐのメンバーが、部長とゲームをしている、なんてこともよくありますね。比較的若い会社ということもあり、役職に関係なくフラットに交流できる雰囲気があります。

── 野本さんは、マネージャーとしてQAチーム運営を担っています。チームづくりで意識していることがあれば教えてください。

野本仲間が、自分たちのやりやすい方法で主体的に業務を進められる環境づくりです。

もちろん、方針や方向性は伝えますが、具体的なやり方は細かく指示せず、できるだけ任せるようにしています。トラブルや不明点があればサポートしますが、基本的には「責任は私が取るから、まずは自分でやってみて」という方針です。

背景には、「主体的に動ける力を身につけてほしい」という想いがあります。

私自身、最初にQAをはじめたときはわからないことが多く、今ほど相談できる相手もいませんでした。しかし、どうすればよりよく進められるかを必死に考え、試行錯誤をしたおかげで、大きく成長できました。

今、体制は整っていますが、だからといって何もかも指示してしまうと、成長機会を奪うことにつながると考えています。一緒に働く仲間には「言われたことをやる」ではなく「自分で考えてやる」姿勢を身につけてほしいです。自ら学ぶ姿勢が身につけば、QAとしてだけでなく、あらゆる仕事で活躍できる人材になれると思っています。

数値化不可の「面白さ」を追求する、ライトフライヤースタジオのQA

── 野本さんは別の業界から、ゲーム業界へと移っています。違いを感じるところはありますか?

野本「面白さ」の追求は、前の業界とはまったく違う部分だと感じます。もちろん、不具合がない、仕様通りに動作する、といった技術的な品質管理も重要です。それに加えて、「どうすれば面白くなるか」とゲームの魅力を最大限に引き出す方法を考えるのは、数値化できないぶん難易度は高いですが、それだけやりがいもあります。

── 山本さんは、もともとゲーム業界にいましたが、同業界のなかでもライトフライヤースタジオQAの特徴だと感じるポイントはありますか?

山本仲間がお互いにリスペクトをもちながら仕事を進めているのは、特徴だと思います。QAと開発チームとの連携がスムーズで、QAの意見も尊重してもらえます。部署の垣根を越え、一緒に最高のタイトルを生み出す、一体感がありますね。

野本著名なクリエイターと一緒にものづくりができる環境も、ライトフライヤースタジオの特徴だと思います。

例えば、『アナザーエデン 時空を超える猫』ではクロノ・シリーズのシナリオ・演出を務めた加藤 正人さんがシナリオを手掛け、『ヘブンバーンズレッド』ではKeyの麻枝 准さんに原案・メインシナリオをご担当いただいています。

超一流のクリエイターと直接仕事ができる環境は貴重です。同じプロジェクトに携わることで、より深い視点でのゲーム品質向上の経験が積めます。

── お2人が、やりがいを感じる瞬間について教えてください。

野本自分が関わったタイトルについて、世界中のお客さまの反応を見られることは大きなやりがいです。

山本私も、自分たちの関わったゲームが実際にお客さまの手に届き、楽しんでいただけている様子を見る瞬間が、一番嬉しいです。ライトフライヤースタジオでは、タイトルごとにリアルイベントの開催もおこなわれており、お客さまの熱気を直接感じられることがやりがいにつながっています。

目指すは、QAの認知向上と領域拡大

── お2人が今後挑戦したいことを教えてください。

山本自社に限らず、QA業界全体の発展に、さらに貢献したいです。以前は、ゲームのスタッフロールにQAの名前が載らないケースもありましたが、最近はそのようなこともなくなってきています。不具合をゼロにするだけでなく「ゲームをより面白くする」QAの存在意義を、アピールしていきたいです。

野本同感です。加えて、新しい領域への展開にも挑戦したいです。これまで私たちは、モバイルゲームの品質保証業務をメインでおこなってきました。そのノウハウを活かしつつ、今後は家庭用ゲームやPCゲームにもチャレンジしたいです。

さらに、グリーグループは幅広いエンタメ事業を展開しており、今後はゲーム以外の分野でもQAが必要とされる機会が増えると思っています。新しい分野に対応できるよう、QAとしてのスキルセットを広げていければと思っています。

── どのような方が、ライトフライヤースタジオのQAに向いているでしょうか?

野本自ら学ぶ姿勢をもった人が向いていると思います。ライトフライヤースタジオにはQA技術向上のための学習・交流機会が多く、トップクリエイターとプロジェクトを進める環境もあります。成長したいと考えている人にとっては、ぴったりの環境なのではないでしょうか。

山本新しいことにチャレンジしたい人にとっても、魅力的な環境だと思います。ライトフライヤースタジオでは開発チームとの距離が近く、QAでありながらゲームづくりに深く関われます。単にテストをおこなうだけでなく、タイトルの品質向上に貢献したい人は、やりがいを感じられる環境だと思います。

野本個人的には、自分が携わるタイトルを好きになれる人と、一緒に働けると最高だと思います。開発プロセスも楽しみながら、ぜひ一緒に、新しい驚きを届けていけると嬉しいです。

ライトフライヤースタジオでは一緒に働く仲間を募集しております

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