ゲームタイトルの成功を左右するAnalysisグループが新設。プロの「ゲームアナリスト」の仕事と魅力とは

2021年4月、ライトフライヤースタジオにAnalysisグループが新設されました。データを分析するのはもちろん、それぞれのタイトルを成長させるために、施策の企画から実行まで行う「ゲームアナリスト」の組織です。

今回はAnalysisグループのシニアマネージャーの白鳥とマネージャーの榊に、ライトフライヤースタジオのアナリストが通常のデータアナリストと何が違うのか、その仕事内容や面白さについて聞きました。

白鳥 貴
Studio本部 Analysisグループ シニアマネージャー

SIerを経て、2013年にグリー入社。入社後はサーバーエンジニアとしてグリープラットフォーム事業に参画。GPF事業JapanGame4部部長を経て、現在はアナリシスグループシニアマネージャーとして、アナリシスとデータエンジニアリングを担当。

榊 拓馬
Studio本部 Analysisグループ マネージャー

大学在学中に複数業界のデータサイエンティストとして施策提案業務に従事したのち、2021年に新卒社員としてグリー入社。入社後はアナリスト兼ゲームプランナーとして各タイトルの分析を行い、施策提案および企画実行支援を担当。

2人がライトフライヤースタジオのAnalysisグループを選んだワケ

── まずはお二人の経歴について聞かせてください。

白鳥 貴(以下、白鳥)私はエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、2013年にグリーに入社してからはGPF(グリープラットフォーム)事業部に所属していました。ここ5年くらいは4タイトルを運営している部署の部長をしていたものの、新しいチャレンジがしたいと思い、今年ジョインしたのがライトフライヤースタジオのAnalysisグループです。
部長をしている時も、事業のマネジメントをする上で自ら数値分析をしていたので、自分の強みを活かせるジョブチェンジだと思いジョインすることを決めました。

榊 拓馬(以下、榊)私は今年グリーに入社いたしました。これまで他社でデータサイエンティストとして、業績を伸ばすためのデータ活用を行なってきました。それはそれでやりがいがあったものの、もっと誰かの内面的な人生にいい影響を与えられる仕事をしたい。そう思った時に出会ったのがライトフライヤースタジオです。ここでなら、データを使いながらも人の感情を揺さぶれるゲームづくりができると思いジョインしました。

開発コストが高騰しているゲーム業界に欠かせない存在になりつつある『データ活用』

── ライトフライヤースタジオがAnalysisグループを立ち上げた経緯を教えて下さい。

白鳥より作品ごとの成功率を上げるためです。ライトフライヤースタジオはこれまでクリエイティブとプロデュース力に強みをもって事業を展開してきました。しかし、今後さらなる事業拡大をしていくためには、データを有効に活用していかなければいけないという結論に至ったのです。
なぜなら、昨今のゲーム開発にかかるコストが高騰しているから。かつては多産多死の世界だったソーシャルゲーム業界も、最近はスマホで表現できるゲームの幅が広がり、ヒットしなかった時の損失が大きく、1タイトルずつ慎重にリリースしなければなりません。そのためにはデータを活用してタイトルの成功率を上げる必要があり、Analysisグループの新設に至りました。

── これまでライトフライヤースタジオではデータ分析はしていなかったのですか?

白鳥もちろんデータ分析は行っていました。グリー開発本部にはデータ分析の部署がありますが、グリーグループ全体の分析機能の底上げを担っています。ですので全てのタイトルでの深い分析は難しく、個別のタイトルについては依頼ベースでの分析となってしまいます。一方で今回立ち上げたライトフライヤースタジオのAnalysisグループは、事業の拡大に向けて能動的に動き、プロダクト制作にも大きく踏み込みます。
例えばデータ分析の結果、施策を行う必要があるなら、その企画から実行までを行い、事業部と一緒に事業ゴールを目指します。それが能動的に動くということであり、私たちの強みでもあります。

── 新設されたばかりのAnalysisグループでも、施策の実行まで任せてもらえるのですね。

白鳥開発チームにいきなり信用してもらうのは難しいですが、普段から関係を構築していって施策を任せてもらうところまできました。私たちはデータを根拠に提案するので、比較的信頼してもらいやすいかもしれないですね。
私たちの仕事は一人で完結するものではありません。分析するスキルはもちろん、周りとコミュニケーションしながら信頼を勝ち取る姿勢も必要なのです。

データではなく『ゲーム』のアナリスト。その難しさと面白さ

── 具体的に仕事内容についても教えて下さい。

白鳥現在取り組んでいるのはリリース前のタイトルなので、ユーザーに向けたβテストのログデータや定性的なデータを分析しています。その結果、リリースに向けて改善すべきところやどんな施策が必要なのか提案するのが私たちの仕事です。

他社のアナリストと違うのは、私達が「データアナリスト」ではなく「ゲームアナリスト」ということ。基本的には定量的なデータを根拠に意思決定を支援するのが仕事ですが、ゲームを成長させるために必要なことなら何でもします。
内部データだけでなく、市場データや競合の事例なども調べてフレームワークに落とし込み、どんな施策をすればプロダクトが成長するか考えなければいけません。それぞれのタイトルにどんな課題があるのか特定するところから始めるので、タイトルによって業務も様々です。

── ゲームの施策を考えるとなると、ゲーム好きでないと難しそうですね。

白鳥ゲーム好きは欠かせない条件ですね。どんなにデータ分析が得意であっても、ゲームが好きじゃなければ、分析した後の施策を考えるのは難しいでしょう。

ゲーム業界は未経験でも構いませんが、ゲームやクリエイティブへの関心の高いアナリストの方が価値を発揮できると思います。「こんなゲームがあったら面白いよね」という観点を持てる人の方が、仕事を楽しめるでしょうね。

── 他社のアナリストとは違うという話もありましたがライトフライヤースタジオのアナリストならではの難しさや面白さがあれば教えて下さい。

白鳥ゲームはデータだけではなくビジュアルや操作性など、様々な要素で構成されていることです。例えばゲーム以外のWebアプリでは、データ分析でも売上を伸ばすこともできるかもしれません。しかし、様々な要素で構成されているゲームは、データだけでなくゲーム全体、ときには数値化しづらい世界観も鑑みながら考える必要があります。
データ以外の要素もトータルで考えながら提案しなければいけないことが、難しくもあり面白いところでもあります。

タイトルに対する影響が大きいのも面白さですね。タイトルにとって何が一番必要なのかを考えると、最終的にはプロデューサーやディレクターたちと同じ目線になります。数億円規模の予算がかかっているゲームの重要な意思決定に携わり、実際に課題を解決する。そんな経験ができる仕事はそうないのではないでしょうか。

【実録】データ分析によって売上を回復させた事例

── 実際にこれまで、データ分析によって事業をのばした事例があれば教えて下さい。

私の事例ですが、長く運営されているゲームを担当しており、いかに売上を伸ばすか、という課題に直面していました。既に多くのユーザーを抱えていたため、既存ユーザーに対していかにアプローチするか議論していた時のこと。
分析結果をもとに、次のような条件を満たすユーザーにターゲットを絞ってアプローチすることを決めました。

  • 以前は課金していたが、現在は課金していない
  • 今もゲームを遊び続けている。

昔は課金していた要因はなにか、そしてそれがなぜなくなってしまったのか。深掘り分析と仮説検証を繰り返しました。課金していた時の気持ちを再び湧き起こすためにどのような体験をして頂く必要があるかを考えて、新規コンテンツを企画・提案。実際にUIイメージを含めた仕様策定および開発進行まで担当させて頂き、無事予算達成に貢献しました。

── 分析していて難しいことはどんなところでしたか?

当時の市場の様子なども併せて考えなければいけなかったことです。課金しなくなった原因は、必ずしも私たちのゲーム内にあるとは限りません。例えば他社のゲームが影響している可能性もあるので、視野を広げて考える必要がありました。

── 原因は特定できたのでしょうか?

原因の特定は非常に困難ですが、様々な情報が集まってくれば、特定までいかなくとも状況証拠を固めることはできます。それらをもとに仮説と検証を繰り返し、数字を戻すことができたのです。

ゲーム業界のプロフェッショナルにもマネージャーにも。様々なキャリアパスが期待できるAnalysisグループ

── どのような人ならライトフライヤースタジオのアナリストに向いていると思いますか?

白鳥ゲームが好きなことが前提ですが、他の企業でアナリストをしている方はもちろん、数字に強いエンジニアやゲームプランナーの方も向いていると思います。また、ゲームの成長はゲーム内の要素だけでなく、広告など外の要素も大きく影響するので、マーケティングの経験者も向いているかもしれませんね。
いずれにしても、ジョインしてもらってからアナリストの仕事を学んでもらうので、最初から十分なスキルがある必要はありません。ゲームが好きで数字を扱うのが得意なら、入社してからキャッチアップできると思います。

── ライトフライヤースタジオでアナリストをやることで、どんな成長やキャリアパスが期待できるのか聞かせてください。

ゲーム全体のことを考える必要があるので、自然と事業責任者やプロデューサーに必要なスキルも磨かれると思います。また、企画書を作って仕様書に落とし込み、デザイナーやエンジニアに伝えるのはプランナーの仕事そのもの。プランナーやディレクターへのキャリアパスも考えられますね。
加えて、ゲームのアナリストは他のWebサービスのアナリストとは違ったスキルが求められます。ゲームドメインの知識を極めれば、ゲームに強いアナリストとして確固たるキャリアも築けるのではないでしょうか。

白鳥ライトフライヤースタジオのアナリストは、それぞれのタイトルの担当制ですが、様々なタイトルに横断的に関わることにもなります。そうするとWFS全体を見ることになり、経営目線で考える力も磨かれます。将来的に経営企画など、経営に携わる職種に就きたい方にもおすすめです。

── 職場の雰囲気についても聞かせてください。

私がこれまで働いてきた組織に比べて、仕事への情熱を感じます。また何よりジョインして一番驚いたのは、働いている人たちの笑顔の多さです。「私達は人を楽しませるものを作っているんだから、自分たちが楽しんで仕事しないと意味がないよね」と話しているのもよく聞くほどです。
仕事には熱心ですが、やわらかい雰囲気を感じますね。

── 最後にライトフライヤースタジオのAnalysisグループに興味を持った方にメッセージをお願いします。

白鳥ライトフライヤースタジオは今年が飛躍の年になるのを確信しています。来年以降にリリースする新タイトルも仕込んでおり、今後も事業拡大の方向性は変わりません。その中でAnalysisグループはタイトルの成功を左右する重要な役割。ぜひライトフライヤースタジオに興味がある方は、素晴らしいタイトルを一緒に世界に届けましょう。

Analysisグループはまだ新設されたばかりのチームで、定型業務がなく、「これをやっておけばいい」という業務フローもありません。各人が会社や事業の成長に何が必要なのか考えて、責任を持って意思決定できる環境です。大きな責任は伴いますが、それに見合ったやりがいもある仕事だと思っています。
また、私たちはデータを根拠に提案しているため、業界経験が浅くとも話を聞いてもらえますし納得してもらえます。提案次第ではありますが、業界未経験でも事業に大きな影響を与えられる仕事はそうはありません。自分の意思でプロダクトの課題、ひいては会社の課題に対して本気で向き合いたい人にとっては、これ以上ない環境だと思います。

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